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建築の - 設計の価値

2012年2月14日(火)

最小限住居正面最小限住居正面

最小限住居吹抜と大開口最小限住居吹抜と大開口

最小限住居妻側最小限住居妻側

2階平面図2階平面図

1階平面図1階平面図


最小限住居(1)


 1951年、増沢洵(26才)の設計。もう60年も前のことです。当時まだ若手だった増沢洵が金融公庫の融資に当選したのがきっかけで開始した自宅の設計だったそうです。

建築面積9坪、延べ15坪(49u)の狭さです。「最小限住居の試作」の名称もついていますが、その当時は金融公庫の融資の上限が60uで比較的大きな住居だったとのこと。

今からすると50uの住宅はとても狭いように思えますが、これでも住むには可能な広さだったんですね。生活を極限まで考え抜いた、現代でも十分輝きのある家です。

考えてみれば2LDKのアパートも60〜70u、
・個室6帖(約10u)
・個室6帖(約10u)
・収納(約10u)
・LDK12帖(約20u)
・浴室・トイレ・玄関(約10u)
ぐらいの感じでしょうか?それほど変わらない広さといえそうです。

この家の食堂には大きな吹抜けがあり、ここが採光や通風、空間的な変化を感じられる、この住居の中心です。時代が進み家族構成が変わると床が張られることもあったそうです。

吹抜の食堂の奥には寝室があります。普段は食堂とつなげて使えるように大きな建具で仕切ってあります。今でこそ寝室は寝るときだけの部屋になっていますが、それももったいないような気もします。昔は布団を敷いたりあげたりして寝室や和室、居間といった多用途に使用していたスペースだったですね。

寝室の隣には浴室やトイレがあります。普通は離しておきたいと考える水回りですが、その余裕はありません。というか衛生面や見た目以外はこちらの方が実用的で便利なように思えます。

吹抜の端の階段を上ると2階には書斎や家事室といった趣味のスペースが設けられています。将来的には子供室や物置になるのでしょう。吹抜も床を貼るともうワンスペース広がりをもたせられます。

究極の家づくりのコストダウン法は『必要最小限に造ること』だと思います。どんなに材料を選別しても2〜3割落ちれば良い方で、ましてや材料費は全体の建築費の1/3程度です。人件費まで考えを及ぼすと、よほどうまくやらないと手抜きや欠陥工事の原因になりかねません。

坪単価50万円の家も8帖間を1部屋やめただけで4坪下ります。200万円のコストダウンです。

不必要な部屋はつくらない、今必要なスペースだけをきっちりつくって、将来家族構成や生活習慣が変わった時には増築や改造で対応するようにしたら良いと思います。この家は「それは可能性だよ、昔からやってるよ」って語ってくれてる気がします。

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