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2010年4月30日(金) ![]() ![]() ![]() ![]() | 中間コスト住宅建築では、元請会社の見積書が工事請負金額となります。見積書の内訳には仮設工事、基礎工事、木工事・・・と工事別の金額が計上され最終的に元請会社の諸経費(工事管理費等)が加えられて全体の金額がはじき出されます。 我々がいつもやっているオープンシステム(CM分離発注)では、個々の専門工事会社が元請けですから、それぞれの工事別に妥当な金額を入札した業者がチョイスされ、集計されて工事金額が決まります。もちろん我々の業務報酬料もこれに含まれます。 常々どれくらい違うものなのかと思っていましたが、ある現場でたまたま比べる機会に遭遇しました。建築主の希望で○○建設さんという地場の工務店さんからも見積もりを採ってほしいとの要望があったからです。 表@は、オープンシステムと○○建設さんの見積内訳書の比較です。建材は塗装や断熱材などオープンネット建材を建築主支給で発注するため、各工事に含めた○○建設さんよりも高くなっていますが、ほかの工事費はすべて下回っています。 オープンシステムの専門工事会社が安いところばかり集まっているのかというとそうではありません。これまでの経験上、相見積もりを採ってもそう大きな違いは出てきませんでした。それぞれの工事には適正価格というものが存在します。 これは多重下請構造という建築業界の独特の仕組みのせいです。元請会社は、各工事を専門工事会社に下請に出します。出された専門工事会社はどれくらいで出来るのか見積もりして提出します。ここまでは一括請負とオープンシステム、なんら変わりはありません。 元請工事会社は専門工事会社の工事費をそのまま建築主に提出するわけにはいきません。工事を請負う以上、その工事を管理する費用が必要です。これは、商品の仕入値と売値の関係に似ています。会社としての経理上も専門工事会社の請求金額をそのまま建築主に請求するだけでは商売になりません。 我々はこういった中間コストを出来るだけ排除して住宅の価格を適正にできないかとオープンシステムを始めたわけですが、表@は諸経費や値引きが入っていてそのままでは比べにくい形になっています。 そこでもっと比較しやすいように、値引きをすべての工事費に按分し、諸経費の欄に業務委託料の内のマネジメント料を移行してみました(表A)。 業務委託料は大きく分けて2つに分類されます。設計監理料は設計と工事中の監理を含めた設計事務所が本来やるべき業務の費用です。マネジメント料は見積もりから業者選定、工事中のコンストラクションマネージャ(CMr)としての業務費です。 ですので、設計監理料はどちらの見積もりにも入ります。工務店でいう工事管理費(諸経費)とマネージメント料とが同じとするのは少々危険ですが、こうすることで、すべての項目において一括請負と下請工事の差額を中間コストとして捉えることができます(グラフ)。 こうしてみると、建材以外に基礎工事と左官工事が下回っていますが、恐らくこれは自社で出来る工事だったのかもしれません。赤色の合計が約360万。2100万の工事に対して約17%の中間コストが削減できたという結果になりました。 | 住宅の価格 (その他の体験ブログ) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | |||||||||||||||
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